50からでもできること

知命50歳でも踏ん張ります

悲劇の事故

モリビトです。

 

 星新一の短編を読みふけるなか、新たな作家さんにも手を伸ばそうと、いろいろ、本屋さんを歩いておりました。

 テレビや映画でも、次々と面白そうなお話が公開されます。つくづく作家さんがいて世の中のテレビ番組や映画が出来ているんだなぁと、社会の仕組みが少しづつ分かり始めた中学生時代です。

 そんなテレビ番組でNHKの夜9時のニュースの後に放送していた銀河テレビ小説という何だか格好つけた番組がかつてありました。

 うちではNHKが尊重されていましたから、寝る前に、眠たい目を凝らして、大人の番組を見ていたわけです。

 

 連続物や短編のドラマを放送していたのを覚えておりますが、その中でも、特に面白かったのが向田邦子さんのドラマです。日常の不思議や、人間の気持ちのありようなど、あぁなるほど、そういう視点で見るのかといったふうに話が進んでいきます。

 向田邦子さんといえば、高倉健出演映画「あ・うん」が有名です。そのほかテレビドラマ「阿修羅のごとく」では冒頭に流れるトルコ軍楽が、私の記憶に鮮明に響いています。

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あ・うん 高倉健さん出演してます

 そんなわけで、向田邦子さんを読みました。特に好きだったのが「思い出トランプ」や「かわうそ」。短編集ですが、何気ない日常の一面が、自分では気づかない見方で描かれており、不思議な感じがしたのを覚えています。

 

  残念なことに、1981年の台湾での飛行機事故でお亡くなりになったのですが、その後も執筆を続けていたら、間違いなく私の中で最高の作家さんであろうと思っております。そもそも事故の時私は12歳だったので、NHK阿修羅のごとく」をテレビで何となく見ていて、亡くなってから読者になったとうわけです。

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阿修羅のごとく 話の内容との深い関連を今でも探っています

 脚本家という職業を、世に知らしめた方としてもかなり功績の大きい作家さんでした。もっと読みたかった作家さんです。

 

 

千一話の短編

モリビトです。

 

 赤川次郎で、ミステリー小説のある一面を毛嫌いしてしまった私は、赤川次郎の本を片手に、次に読むべき作家は誰なのか、ぼんやりと考えていました。

 

 そんな時、本屋や友人からなんとなくこれがいいという情報を自分なりに得て、これはという作家に巡り会いました。

 

 タイトルからすぐ想像できた人は、紛れもなく彼の読者でしょう。

 もう、お分かりですね。星新一さんです。

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文庫イメージ

 星新一の短編は、ブラックユーモアあり、ほのぼの謎解きあり、今朝起きた身の周りの不思議など、10分程度で読める短編です。こうも見事に次々と書き上げていったのかと思うと本当に素晴らしい頭の切れ方です。

 

 当の私は中学生でした。日常生活では、テレビやラジヲ、雑誌など日々刺激的な情報が入ってきていました。読書に当てる時間がホントにないという人生の一時期だったわけです。そんな時期に星さんの短編は、短い時間で一話を読み終えることができるうってつけの読書対象でした。

 

 星さんの短編で、個人的に好きなのは「おーい、出てこい」です。不思議な穴と、それに何でも入れてしまう現代人と、待ち受ける未来。ちょうど環境問題が沸き起こり始めていた頃にこの話を知ったので、もう面白いやら、怖いやら。

 

 「ボッコちゃん」を読み直して、お酒でも飲みながら、長い眠りにつくのも悪くないと思ったことを、思い出します(今はそう思いませんが)。

 

 あと好きな話は「侵略者」?だったかな。実は地球で一番偉いのはネコであるという話。視点を変えると、世の中何が本質かわかりません。人間は実はネコに飼われているのだ。

 

 今のネコブームも実は星さんの描いた通りの世界だったりして・・・

 

 今日は星新一の短編でした。

 星さんのお話に数々の挿絵を描いていた和田誠さんが先日、お亡くなりになられました。ご冥福を。

 

 

80年代のミステリー

モリビトです。

 

 小学生時代に、江戸川乱歩推理小説を読破して、気持ちをよくした私は、何を読もうかと触角を動かしていたわではなかったのです。

 そこまでの読書の虫ではありませんでした。しかし、本を読むということに抵抗もなく、読書で想像する楽しみは培われていたと思います。

 

 小学生から中学生の頃は、一つのブームがありました。これは私だけではなく、世間の同世代が同じ嗜好に向いていたと言っていいでしょう。それは、80年代初期の邦画映画で次々とヒットを飛ばした、赤川次郎です。

 

 「セーラー服と機関銃」という組み合わせとしてあり得ないタイトルからして、当時の世間同様、私も大いに心動かされたわけです。(脇腹が少し見えてる〜)

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タイトルイメージ

 それに主演は、「野生の証明」以来の薬師丸ひろ子で、ショートにしたひろ子ちゃんが、とってもカッコよかったなぁ。歌もヒットしましたよ!。(「野生の証明」以来、ずーっとファンです。)

 

 そんなわけで、原作も読むべきと、本屋で手が動いて赤川次郎を続けて読むことになりました。

 その後も、赤川次郎は「探偵物語」「晴れときどき殺人」など80年代ミステリー映画界を席巻していくのです。

 

 個人的には、「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズが好きでした。

 Wikipediaにも載ってないけど、NHK-FMで昔、この小説をラジオドラマで放送したんです。夫の泥棒役は沢田研二、妻の刑事役は中原理恵、だったと思います。結構はまり役でした。

 この頃の中学生にとって、ラジオといえばエアチェック。何のことか横文字でと思われますが、単に、ラジオ番組を録音するだけのことです。情報はテレビかラジオの時代で、勉強と言いつつ、机に向かってラジオをつければ、音楽や痴話がこぼれてきた時代です。

 たまたま、エアチェックできそうな番組はと思ってNHK-FMを合わせたときに、このラジオドラマを聴きました。

 その後、ラジオ番組は、音楽番組より朗読やラジオドラマが好きになりました。

 

 そうそう、赤川次郎は、読みやすく、少年少女の読書好に貢献したのではないかと勝手に思っていましたが、その後も赤川次郎のように映画やTVとタイアップしたことで人気を得ていった小説家が続々と出てきます。

 つまりは、出版界とマスメディアと映画界とが絡み合って、次なるヒットメーカーを探索、もしくは捻出しているのではないか、と中学生ながら疑念を持ってしまい、赤川次郎を継続することができなくなりました。

 

 数々のミステリー作家が生まれてくる中、殺人事件が絡むミステリーはそれほど好きではなく、私のミステリー嗜好は、少年探偵団のように爽快でちょっと微笑ましい「謎解き」が好きなことがだんだんとわかって、次にマイブームとして読み始めた作家は・・・。

  

 

 

子供向け推理小説といえば

 モリビトです。

 

 5日のラグビー日本は、サモア戦で見事に勝利を収めて、ますます日本中が盛り上がっております。

 

 さて、読書の秋、前々回、「人生二万冊」の目標を持つ人のを回顧をお話ししました。人生二万冊を目指しているような人は、ジャンルや筆者の好みなどなく、片っぱしから読んでいる感じがありますが、ちゃんと感想、書評を述べており、しかも内容もきちんと頭に入っている感じがします。

 なおさら自分には無理だなと、私はせめて人生五千冊を目指して、本を読んでいます。

 

 読書遍歴のお話をするといっていましたので、まずは小学生時代に読んでいたもの。

 

 先にも触れましたが、この頃は、江戸川乱歩です。初めて読んだのは、児童向けシリーズ(全50冊くらいのシリーズ)の6号目ぐらいだったかの「夜光人間」です。

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夜光人間単行本

 ゴレンジャーや仮面ライダーといった実写ものが流行っていた小学校時、何らかのタイミングでこの本を手にすることになりました。

 地域の上級生に聞いたのか、先生だったか、きっかけは思い出せませんが、とにかくタイトルが奇怪なことに、実写ものをテレビで見ていては味わえない何かを感じたのだと思います。

 読み始めると、小学生にはあまりにも刺激的なトリックが、次々と文章で表現され、それをなんとか想像することに必死になって読んでいました。想像することに必死になるとは、具体的にイメージすることが、小学生の経験と語彙では難しく、時折挟み込まれている、挿絵でようやく自分が想像したものと近いかどうかを確認できるということでした。

 単に、国語の勉強不足ということもありますが、「これはどういうこと?」というモヤモヤ感が、読み進めていくとどんどん出てきます。

 それが悔しいので、きっと面白いことが書いてあるんだなと、強い思いで、イメージを膨らませる訓練がこの時できたと思います。

 

 1冊目でかなり衝撃を受けたのでしょう。シリーズものの「夜光人間」に続き、次に選んだのは確か「透明怪人」でした。やはり、奇怪なタイトルから、様々なトリックが展開されるんだろうという期待を込めて選んでいたと思います。

 こうしたシリーズを読み始めようと決める時、すでに本好きの人ならば、1号目から読み進めることでしょう。ですが、とにかく刺激が欲しくて、奇怪なタイトルはないものかと、選んで読んでいったことを覚えています。

 

 そのうち、タイトルで選んでいては、刺激が満たされないと思ったのか、1号から読み進めていくことにしました。「青銅の魔人」や「魔術師」など、奇怪なタイトルとその内容に、十分に心踊らされ、全シリーズを読みきりました。時に、小学5年生ぐらいだったと思います。

 江戸川乱歩を読んで、推理、サスペンスといったジャンルが好みとなってしまったのでした。

 

今日はこの辺で終わりにします。

 

お礼登山

モリビトです。

 

「読書」のお話の前に、土曜日(9月28日アイルランド戦勝利の日)、飯豊山に無事登頂することができたお礼にと、トレーニング登山をした磐梯山に登ってきました。

 

 朝、7時過ぎに登山口、八方台から登り始めました。

 6月の2回目のトレーニングでは、荷物に負荷をかけて、飲まない水や、持っていかないテントなどを背負っての登山でしたが、今回は、身軽に、しかも昼前には家に戻るつもりで登りました。

 

 高山帯ではすっかり秋の気配、・・というより秋そのもので、山頂付近のナナカマドは紅葉が終わりかけ、ミネカエデやツツジの赤が綺麗でした。

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紅葉と、遠く飯豊山の山並み

 五月連休の後に、ここ磐梯山を登った時は、真っ白だった飯豊山は、すっかり雪も消え、また、おしろいの化粧を纏う日を待っています。

 

 山頂からの展望は、秋の高曇りの空の下、遠くまで山並みが確認できました。飯豊山を始め、吾妻山、安達太良山といった東北の山々、眼下には猪苗代湖会津盆地。

 遠くて山容が確認できないので南方面の写真は諦めて、パノラマで北部を撮ってみました。

 

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飯豊山から吾妻、安達太良山の展望

 

 下山中、振り返り、紅葉に包まれた磐梯山にお礼を言いました。

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弘法清水下のお花畑付近から見上げた磐梯山

 同じ年に同じ山を3度登ったのは、ここ磐梯山の他に、北アルプス槍ヶ岳乗鞍岳南アルプス北岳。それらと肩を並べ、宝の山よと歌われる山、十分に感じることができた今年の磐梯山登山。

 

 ほどほどの疲れと、ラグビー日本がアイルランド戦に勝利したことに、酒がうまい夜となりました。

 

 来年は、少し足を伸ばして湯殿三山(月山、羽黒山湯殿山)を登りたい。

 

人生二万冊

モリビトです。

 

飯豊山はなんとか無事に登ることができ、今年の1番の目的を果たしました。

そんなわけで、飯豊山のことはこれくらいにします。

 

さて山登りのほかに、続けていることはないか。

色々考えて、

 

「読書」  

 

を取り上げます。「読書」と聞いて、まぁ普通、と思われることと察します。

 

「読書」が趣味になった理由に、高校生時代に所属していた部の先輩の言葉があります。

 

その先輩の言は、

 

「人生二万冊」

 

ふと、その先輩が部活動の終了時に、単行本を読みながら呟いた言葉で、後にも先にも発せられませんでした。私は、それをふと、耳に、脳に、刻んでしまったのです。

 

かなり強烈なinputでした。

 

この意味を考えて(計算して)みた時、仮に一日一冊(小説300ページ前後)を読むとして、一年365冊。

20000を365で割ると54.…。

つまり、中学生ぐらいで本好きになって15歳。

読書好きの気が付いてから、一日一冊本を読んで、古希70歳の頃にやっと二万冊なんです。

二万という数値の定義づけは、その先輩なりの目標でしょうが、かなり衝撃を受けました。だってその人にとって、決めるべき数値なのですから。

 

私の読書遍歴といえば、

小学生時、江戸川乱歩のシリーズ物(児童向け単行本)が好きで、小学卒業までに40冊ほどのシリーズを読み終えたことを自分の中で自慢しています。ワクワクしながら次へ次へと読んでいたことを思い出します。

明智小五郎と小林少年。

 

その頃、テレビドラマでも放送していた、天知茂明智小五郎、良かったです。

顔の変装を剥がすシーンは印象的だったなぁ。

 

中学時代は、赤川次郎が流行ったなー。薬師丸ひろ子主演の映画がかなり影響してることを否定できません。

 

ほかに分かった風を装って、松本清張を何冊か読んでみたけど、分からなかった。

正直今でも、自分の中ではわからない。

 

それから高校2年。当時、理系だった私は、たまに小説を読むくらいで、受験を迎える立場としては全く読んでいなかったことを覚えています。

 

人生二万冊

 

その時、脳に刻まれた言葉に、多分、自分ではそんな目標は「無理だな」と思いました。

ですから、人生五千冊くらいで、図書館通いを続ける、知命の今日を思うモリビトです。

 

次回は、これまでの読書遍歴とそのわけ、に似たこととして発します。

 

 

 

飯豊山山頂へ

モリビトです。

飯豊山にやっとこさ登ってきたわけですが、山頂を前にして、暑さにバテバテでさっさと寝てしまった1日目。

 

翌朝、日の出前に起き出し、いざ山頂へ。

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山頂から大日岳方面をのぞむ

日が当たり始めた大日岳にうっすら雲がかかり、ゆったりとした飯豊山の稜線がまるで天国のよう(行ったことはないが)。本山の影が大日方面に映えています。

 

バテバテでなければもう一日、稜線歩きをと考えていましたが、前日の苦労を考えると、下りる体力が心配で、さっさと降りてしまった方がいいと決めて、本山を後にし
ました。

 

朝食を本山小屋で済ませ、下ります。

下りも花を楽しみましょう。

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高山植物といったらこれ、チングルマ

 

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イイデリンドウではない

なんとか無事に下山ができました。

これで、会津では何かの時に”飯豊山に登りました”と胸を張れます。