千一話の短編
モリビトです。
赤川次郎で、ミステリー小説のある一面を毛嫌いしてしまった私は、赤川次郎の本を片手に、次に読むべき作家は誰なのか、ぼんやりと考えていました。
そんな時、本屋や友人からなんとなくこれがいいという情報を自分なりに得て、これはという作家に巡り会いました。
タイトルからすぐ想像できた人は、紛れもなく彼の読者でしょう。
もう、お分かりですね。星新一さんです。
星新一の短編は、ブラックユーモアあり、ほのぼの謎解きあり、今朝起きた身の周りの不思議など、10分程度で読める短編です。こうも見事に次々と書き上げていったのかと思うと本当に素晴らしい頭の切れ方です。
当の私は中学生でした。日常生活では、テレビやラジヲ、雑誌など日々刺激的な情報が入ってきていました。読書に当てる時間がホントにないという人生の一時期だったわけです。そんな時期に星さんの短編は、短い時間で一話を読み終えることができるうってつけの読書対象でした。
星さんの短編で、個人的に好きなのは「おーい、出てこい」です。不思議な穴と、それに何でも入れてしまう現代人と、待ち受ける未来。ちょうど環境問題が沸き起こり始めていた頃にこの話を知ったので、もう面白いやら、怖いやら。
「ボッコちゃん」を読み直して、お酒でも飲みながら、長い眠りにつくのも悪くないと思ったことを、思い出します(今はそう思いませんが)。
あと好きな話は「侵略者」?だったかな。実は地球で一番偉いのはネコであるという話。視点を変えると、世の中何が本質かわかりません。人間は実はネコに飼われているのだ。
今のネコブームも実は星さんの描いた通りの世界だったりして・・・
今日は星新一の短編でした。
星さんのお話に数々の挿絵を描いていた和田誠さんが先日、お亡くなりになられました。ご冥福を。